
C-Trap 光ピンセット蛍光顕微鏡システム
C-Trapは、一分子マニピュレーションと一分子蛍光の同時観察を可能にした世界初の装置です。高分解能の光ピンセット機能、一分子観察機能(共焦点/STED/IRM)、さらにマイクロ流路が統合され、一体型の筐体に組み込まれたことにより、既存のシステムと一線を画する高い分解能・低ドリフト性を獲得しました。
C-Trapにより、真にcorrelativeな一分子計測が可能となります。
2018年、光のモーメント利用した非常に敏感な「ピンセット」の発見により、アーサー・アシュキン博士がノーベル物理学賞を受賞しました。
強度の勾配をもつレーザーを対物レンズを通して収束すると、液中の粒子はレーザーの中心に捕捉されます。まるで光で粒子を「つまんだ」ような状態になるため、光ピンセット(optical tweezer)と呼ばれます。プラスチックやシリカの粒子にはさまざまな生体分子(タンパク質、細胞骨格繊維、DNA、RNA等)を結合させることができます。そのため、光ピンセットを使えば、これらの粒子間の生体分子に非常に小さい力を加えたり、働いている力を測定することができます。

リアルタイム一分子蛍光観察

一分子蛍光観察を行いながら粒子間に働いている力をリアルタイムに測ることによって、タンパク質の活性や結合キネティクスと複合体のメカニカルな性質を関連付けることができます。特に、カイモグラフ (Kymograph) を使うと、動的なタンパク質-DNA間やタンパク質-タンパク質間の相互作用を可視化でき、今までにない新たな視点が得られます。
上の図はラムダDNAの両端を4pNの力で引張った状態で、Atto 647N標識したTFAM (ヒトミトコンドリア転写因子A) の一分子蛍光を観察した像です。(縦軸が空間軸、横軸が時間軸)DNA鎖の特定の部分に結合していたTFAMが時間がたつに連れて移動したり脱離したりするのがわかります。
(左側はConfocal像、右側は観察中にSTEDにスイッチした像です)
分子の活性、状態、構造変化
C-Trapによって、タンパク質やDNAの特有の構造変化を検出することができます。トラップした2つの粒子間の分子内の構造変化は、両端にかかる非常に微小な張力の変化で追跡することができます。
上のプロットでは、タンパク質が主要な2つの遷移状態を行き来し、平衡状態にあることがわかります。さらに注意深く観察すると、その間にもう一つ頻度の低い中間状態を持つことがわかります。C-Trapの高感度な測定ユニットは、非常に小さく頻度の低い遷移状態もとらえることができるのです。
光ピンセット部
力検出分解能 | < 0.1 pN at 100Hz |
最大離脱力 | > 1000 pN (直径4.5µm PSビーズ使用時) |
印加する力の安定性 | < 1.0 pN /分 |
最小ステップ移動量 | < 0.5 nm |
トラップ間距離分解能 | < 3 Å at 100Hz |
カメライメージによるビーズ追跡精度 | < 3 nm at 100 Hz (同時に力学測定・蛍光測定が可能) |
パワースペクトルの最大コーナー周波数 | 15 kHz |
移動領域 | 50 µm x 50 µm x 35 µm (X, Y, Z) |
トラップ方式 | 高安定性・高精度の連続波 |
トラップ数 | 1 -4 |
トラップ駆動 |
XY平面は4トラップすべて独立して移動可能。 Z位置は1+2ペア, 3+4ペアそれぞれを移動可能。 |

(左図) 高分解能の光ピンセットにより、4Åのステップでビーズを移動できています。
(右図) 直径1.0μmのポリスチレンビーズをトラップした時のX軸方向のブラウン運動のパワースペクトル。平均化データ(灰色)と2ステップフィットで得られたライン(赤色)

ポリスチレンビーズの間の二重鎖DNA(8.5kbp) のビーズ距離を一定に保ち、その際にかかった力およびビーズの変位を20分間に渡って記録したプロット。長時間の測定でも超低ノイズかつ超低ドリフトの結果が得られます。
蛍光顕微鏡部
共焦点分解能 | 回折限界により制限 |
STED分解能 | < 35 nm |
レーザースポット位置精度 | < 1 nm |
Localiztion精度 | < 15 nm |
最大スキャン速度 | 200 Hz |
蛍光検出感度 | 1分子蛍光に最適化 |
ダークカウント | < 0.3 光子/ピクセル (100 s) |
バックグラウンド排除制限 | 100 nM (積分時間1 msあたり) |
撮像範囲(FoV) | 50 µm x 35 µm (X,Y) |
共焦点での波長 | 488nmから647nmの間で10種類の波長のうち、最大3波長まで装備可能 |
STEDでの波長 | 最大2波長 |
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