磁気特性測定システム MPMS®3

製品情報

磁気特性測定システム MPMS®3

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米国カンタム・デザイン社製 磁気特性測定システムMPMS3は、SQUID(超伝導量子干渉素子)を使用することにより超高感度の測定を可能とした磁気特性測定システムです。本装置では低温かつ高磁場を印加した状態で容易に試料の磁化測定行うことが可能です。本装置に各オプションを追加することにより、通常時よりも更に高感度の磁化測定、電気特性および磁気光学特性等を同一装置で測定することも可能です。また液体ヘリウムが入手困難な状況でも重要度の高い実験を継続するために、液体ヘリウムおよび液体窒素を必要としない液体ヘリウム再凝縮装置(EverCool)を用意しております。

MPMS3の特長

超高感度測定

最新DC SQUID技術により、超高感度測定を実現
MPMS3は従来機と比較して、最も低いノイズレベルを実現しております。

高速制御

温度制御
300K⇒1.8Kを30分以内で冷却可能

MPMS3と従来機(MPMS-XL)との比較を示しております。
MPMS3 は、温度安定に達する速さだけでなく、温度履歴が極めて直線的であることも特長です。

磁場制御
磁場掃引状態と磁場静止状態を、わずか1秒で制御可能
(特許技術“超伝導スイッチング素子”QuickSwitch TM搭載)

永久電流モードにせずに、ノイズを低減できる新しい技術の開発により、磁場掃引速度と磁場安定性が大幅に向上しました。

優れた操作性

全自動制御により、容易に高精度な測定が可能で1日24時間、週7日の連続運転を前提に設計された汎用性が高いシステムです。

磁気特性装置MPMS3 オプション

液体ヘリウム再凝縮装置(EverCool)
液体ヘリウム再凝縮装置(EverCool)

本オプションを導入すると液体ヘリウムや液体窒素を充填することなくMPMS3を使用できます。初期充填の際も液体ヘリウムを使用することなく、ヘリウムガスボンベのみで装置を運用することが可能です。
本オプションは冷凍機とデュワーがー体型である構造で設計されていますが、冷凍機の振動が測定に影響を与えることはありません。日々の運用においても、MPMS3用MultiVuソフトと連携せることにより液面位置やガス流量等が自動制御されるため、使用者側で特別な操作を必要としません。
(初期立上時:ヘリウムガスボンベ4本必要)

 

交流磁化測定(AC)
交流磁化測定(AC)

交流磁化率測定は超伝導体、超常磁性体およびスピングラス等の様々な試料を容易に測定することが可能です。測定の際は印加する交流磁場と同じ周波数の交流磁化を測定することにより、直流磁化率測定と比較して高感度の測定を行うことができます。3ヘリウム冷凍機、高圧セル、光学磁化測定、高温測定(Oven)、試料回転機構等の各種オプションと組み合わせて高感度の測定を行うことができます。

交流周波数範囲:0.1Hz~1kHz

交流振幅:0.1 ~10 Oe

測定感度:5×10-8emu

超低磁場(ULF)
超低磁場(ULF)

超低磁場(ULF)オプションはフラックスゲートセンサーを使用することにより、超伝導マグネット内の残留磁場を通常時よりも大幅に低減させます。残留磁場を極限まで減らすことが可能なため、低磁場下での高温超伝導体やスピングラス材料等の詳細な磁場依存性に関する研究が容易になります。

消磁範囲:磁石中心にょり±10mm

磁場均一性:±0.05 Oe

測定磁場範囲:±5G

 

3ヘリウム冷凍機
3ヘリウム冷凍機

本オプションを導入するとMPMS3使用時において0.5 K以下の極低温領域で磁化測定を行えます。冷却方法は3ヘリウムガスを装置内でポンピングさせることにより実現可能となりました。本オプションは液体ヘリウム凝縮装置EverCool、交流磁化測定と併用して使用することが可能です。

高温測定(Oven)
高温測定(Oven)

本オプションを導入するとMPMS3の温度範囲を300~1,000 Kまで拡大して各種磁化測定を行うことが可能です。使用の際は特殊な試料ホルダーを使用することにより、試料空間全体ではなく試料温度のみを局所的に加熱する構造となっています。試料振動型磁力計、交流磁化、超低磁場のオプションと組み合わせて高感度の磁化測定を行うことが出来ます。

温度範囲:300~1000K
モーメント感度

・2500 Oe未満:1×10-6 emu

・2500 Oe以上:8×10-6 emu

 

 

電気輸送特性(ETO)
電気輸送特性(ETO)

高抵抗および微分抵抗に対応した新しい電気輸送特性評価オプションです。
本オプションでは、交流抵抗、ホール効果、IV測定、微分抵抗(4端子)、微分電導度(2端子)の測定を行うことができます。2種類の専用試料ホルダーにより、磁場に対して水平方向または垂直方向に試料を固定することができます。また、試料ホルダーは磁化測定にも対応しており、電圧を印加しながらの磁気特性評価※が可能となります。本オプションでは、直流磁化測定、試料振動型磁力計、交流磁化及び超低磁場オプションと併用して測定可能です。

電流範囲:10nA~100mA

測定可能範囲

・4端子法:最大5MΩ

・2端子法:2MΩ~1GΩ

手動挿入用ユーティリティプローブ(MIUP)

外部から4本のワイヤーを導入することが可能とするプローブです。ユーザ独自の計測器と組み合わせて電気特性評価が可能です。

高圧セル
高圧セル

本プションはMPMS3専用の磁気測定用高圧セルです。高圧セル部は特殊な素材で作られており、磁気バックグラウンドを極限化しています。また試料への加圧方法はピストンによる捩じ上げ式となっているため、加圧するために必要とする特別な器具等はありません。本オプションは直流磁化測定、交流磁化、超低磁場の各種オプションと併用して測定可能です。

最大化圧圧力:1.3Gpa

磁気バックグラウンド:4×10-7emu/gauss

試料空間:1.7, 2.2mm

試料回転機構
試料回転機構

試料回転機構は磁気モーメントの角度依存性を測定することが可能なオプションです。試料ホルダーは磁場に垂直な水平軸を中心とし回転するように設計されており、通常試料用試料ホルダーと薄膜試料用ホルダーの2種類を用意しています。また薄膜試料用ホルダーでは面内回転にて測定可能となっています。MPMS3のultiVuソフトより、回転角度及び回転速度の設定を簡単に行うことができます。

回転範囲:0~370°

ステップ角:0.1~10°

バックラッシュ:10°

磁気光学測定

FOSHオプション

光ファイバサンプルホルダー(FOSH)を使用すると、測定中にサンプル空間に光を照射できます。標準化されたファイバー接続により、さまざまな光源との互換性を確保しています。

併用可能:DC測定、交流磁化、ULF

Xe光源

種類の広帯域キセノン光源を用意しております。

・TLX120Xeは100 Wの光源を使用し、MultiVuのシーケンスコマンドを使用して光の波長を選択できるように電動モノクロメーターを統合します
・MLS 300 W光源には、所定の波長の光を通すための手動選択フィルターホイールが含まれています。

温度制御

温度範囲 1.8 K ~ 400 K
冷却速度 30 K/min(300 Kから10 K安定状態までの標準時間15分)
10 K/min(10 Kから1.8 K安定状態 までの標準時間5分)
温度安定度 ± 0.5%
温度精度 ±  1% または ±0.5 K 以下
温度分解能 ±0.05K
試料空間 φ9mm

磁場制御

磁場範囲 ±70,000 Oe(±7 T)
磁場均一度 4 cm の範囲で0.01%
磁場可変速度 4 ~ 700 Oe/sec
残留磁場 5 Oe未満(最大磁場から Oscillatingによる消磁時)

 


測定感度

最大レンジ 2emu (DC),  100emu(VSM)
感度
VSM
1×10-8emu(2500 Oe以下において)
8×10-8emu(2500 Oe超において)
DCモード
5×10-8emu(2500 Oe以下において)
6×10-7emu(2500 Oe超において)
振幅 0.1 ~ 8 mm(peak to peak)

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